2020.12.27
こんにちは、年末ですね!
今年も残すところあと4日となりました。
弊社は、12月29日(火)~1月6日(水)迄冬期休暇となっております。
久々の長いお休みなので、今年は静かにお家のお掃除と
普段なかなか作らないちょっと凝った料理にチャレンジしようと思います。
今回は「埋蔵文化財保護法」についてご説明します。
物件情報を検索していると「文化財保護法」や
「埋蔵文化財包蔵地」というあまり聞きなれない文字を目にすることがあるかと思います。
日本には縄文時代や弥生時代の遺跡や跡地が全国各地に点在しており、
普段生活している土地から貴重な文化財が出土する場合があります。
注文住宅の基礎工事を行う際にも、埋蔵文化財が掘り起こされるケースがございます。
埋蔵文化財とは、文化遺産保護制度に基づいて保護の対象となる、
地中に埋蔵された状態で発見される文化財(文化遺産)のことです。
日本では埋蔵文化財を保護するため、遺跡の範囲内で土木・建築工事等を実施する場合は、
文化財保護法により届出が義務付けられています。
埋蔵文化財とは土地に埋蔵されている文化財のことで、
遺跡全体を指す場合もあれば、個々の有形文化財を指す場合もあります。
具体的には、縄文時代の土器や弥生時代の石器、飛鳥・奈良時代の彫刻や工芸品などです。
他にも、平安時代の書籍や典籍、鎌倉・室町時代の古文書や銭などがあります。
このような埋蔵文化財は日本全国に点在しており、
どの土地に埋まっているかは誰にも分かりません。
これまでの発掘調査から埋蔵文化財の存在が知られている土地を
「周知の埋蔵文化財包蔵地」として保護しています。
周知の埋蔵文化財包蔵地は、
地域の市町村が作成している遺跡地図および遺跡台帳に記録しており、
一般に向けて公開されているので、役所やインターネット上でも調べることが可能です。
文化財保護法の規定により、周知の埋蔵文化財包蔵地において
土木工事などの開発事業を行う場合、建築会社は都道府県や
政令指定都市などの教育委員会に事前の届出が必要になります。
また、新たな遺跡や埋蔵文化財を発見した場合にも届出の義務が発生します。
実際には工事が行われる前に建築会社が都道府県や政令指定都市などの教育委員会に
開発予定地の照会を行うため、特別な手続きが必要になるわけではありません。
ただし、都道府県や政令指定都市などの教育委員会でも
開発予定地が周知の埋蔵文化財包蔵地に該当するかどうかの判断がつかない場合は、
自治体の職員が現地踏査や試掘を行う場合もあります。
特に、すでに埋蔵文化財が出土している地域の隣地などの場合は、
こういった手続きが行われることがあります。
この手続きによって、建築工事の着工時期が遅れる場合もございます。
実際に遺跡や文化財が出土した場合は、
都道府県や政令指定都市などの教育委員会が埋蔵地の処遇を決定します。
より重要な文化財と認められる場合には、
発掘者は現状を変更せずに文化庁長官に届出を行い、
場合によっては最大3カ月の間、建築工事が行えない状況になるケースもあるので注意が必要ですね!
逆に、協議の結果、やむをえず遺跡を現状のまま保存できない場合には
事前に発掘調査を行って遺跡の記録を残し(記録保存)、開発工事を進める場合もあります。
遺跡の発掘経費については営利企業である開発事業者に協力を求めているため、
事業者負担となります。
「事業者負担ということは余計な費用がかかるの?」と疑問をもった人もいるかもしれません。
しかし、発掘費用が営利目的を持たない個人に転嫁されることはありません。
個人が営利目的ではなく行う住宅建設の場合は、
国庫補助もしくは公費によって実施される制度があります。
建築会社が自己の営利目的のために行う開発事業などの場合にのみ、事業者負担となります。
しかし、発掘調査が長期間に渡り費用総額が大きくなる場合には、
土地所有者の負担が生じる場合もあるので注意が必要です。
出土された埋蔵文化財は、法的には拾得物として扱われるため、通常の落とし物と同じように所管の警察署長に提出する必要があります。
もし、提出せずに拾得物をそのまま自分のものとした場合、罰則がございます。
しっかりと届出をすれば罰せられることはありません。
埋蔵文化財の土地であってもしっかりと調査を行いますので、安心してご相談ください。
それではみなさん
どうぞ、よいお年をお迎えください。