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契約不適合責任とは?責任内容と契約書での注意点について

2020.11.29

みなさん、こんにちは!

寒くて朝なかなか布団から出れない時期になりましたね!

 

今日は、「契約不適合責任」についてご紹介です。

少し聞きなれない言葉かなと思います。2020年4月の民法改正により、

これまで「瑕疵担保責任」と呼ばれていたものが、「契約不適合責任」という名称に変更になりました。

 

土地情報を閲覧していても、古家ありの土地だと

「建物については契約不適同責任 免責」という文章が備考欄などに記載があるのも

見かけた方もいるのではないでしょうか。

 

この「契約不適合責任」について、少しご紹介させていただきます!

 

 

まず、「契約不適合責任」とは何かご説明します。

売主や請負人は、売買契約や請負契約の内容に適合した目的物を、買主や注文者に引き渡す義務があります。「契約不適合」とは、これらの契約において売主や請負人が相手側に引き渡した目的物が、その種類・品質・数量にかかわらず「契約内容に適合していない」と判断された場合(債務不履行)、売主や請負人が相手側に対して負う責任です。

 

瑕疵担保責任とは大きく内容は異なりませんが、責任範囲などの内容について

異なる部分もあり注意が必要になります。

 

具体的に何が違うのかというと、、、

 

改正前の民法における「瑕疵担保責任」では、売買の目的物に「隠れた瑕疵」がある場合、

買主は、売主に対して損賠賠償請求や契約解除を求めることができました。

しかし、修理・代替物等の請求や金額減額はできませんでした。

また、売買の目的物が新築住宅である場合、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)が適用され、瑕疵部分の補修請求についてのみ可能となっていました。

さらに、その瑕疵により契約した目的を達成することが出来ない場合に限り、買主は契約の解除を認められました。

 

一方、「契約不適同責任」では、売買の目的が「契約の内容に適合しない」とき、

買主が売主に対し、補修や代物請求などの追完請求をすることができます。

また、もし売主が追完を履行しないときや追完が不可能であるときは、代金減額請求も可能になりました。

追完請求や代金減額請求とは別途に、損害賠償請求も認められます。さらに、不適合内容が軽微であること以外の場合は、買い主が契約の解除をすることもできます。

責任を負う要因は、瑕疵担保責任が「隠れた瑕疵」であるのに対し、契約不適合責任では「契約の内容に合致しない場合」になります。買主が請求できる権利は瑕疵担保責任より増えています。

 

契約不適合責任での注意点もいくつかご説明します。

①買主が請求できる権利が増えます。

契約不適合責任では、瑕疵担保責任と比べて買主の請求できる権利が増えています。

瑕疵担保責任では、契約解除、損害賠償請求の2つにとどまっていましたが、契約不適合責任では「契約解除」「損害賠償請求」の他に、「追完請求」「代金減額請求」「無催告解除」「催告解除」が可能です。

 

②設備に関する責任を契約書に記載が必要です

不動産の売買では、設備に関するものも責任の対象になります。

とはいえ、中古住宅で既存の設備をそのまま利用する場合、不具合のリスクは高くなってしまいます。

このような事態を避けるため設備に関しては契約不適合責任を負わないことを契約書面に記載することが大切です。

これは追加記載しなければならない事項となり、十分に注意が必要です。

 

③「隠れた瑕疵」が通用しません

契約不適合責任への改正にあたり、従来の瑕疵担保責任で認識されていた「隠れた瑕疵」という概念は消失します。

そのため、売買時に目的物である不動産(建物、土地)の原状を売主が細部まで把握しておくことが大切になります。

 

④買主が知る不備は契約書に記載が必要

売買の目的物の現状を把握し、その内容を契約書等にしっかり記載することが重要になります。

瑕疵があったこと自体ではなく、「契約書等に記載されているか」がポイントです。

目的物になんらかの不備があったときには、どのような不備があり、その不備に対して責任は負わない旨を契約書に詳細に記載することが求められます。

 

⑤契約事項を確認する

契約不適合責任では、従来の「瑕疵」に限らず「契約の内容に適合しないもの」という部分が重要になります。

契約時にきちんと記載されているかが非常に重要です。

契約書はもちろん、その他の添付資料等にもすみずみまで目を通し、売買の目的物の現況を細かく記載することが大切です。

 

 

瑕疵担保責任と大きく違うポイントは、「隠れた瑕疵」ではなく「契約の内容に適合しないもの」が問題となることと、買主側の請求権が増えることです。今までにはなかった、追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、催告解除、無催告解除などの内容理解が大切になります。

また責任範囲については、契約書に記載してあるか否かが判断する上で重要になります。

売買の対象となる物件の現状をきちんと理解してご契約を進めていきましょう。

 

もちろん私たちでもサポートいたしますので、

土地の購入だけにかかわらず、売却をご検討の際にもご相談ください。

 

 

 

この記事を書いたスタッフ