2020.11.05
老朽化したまま放置されている空き家が増加し、社会問題となっています。2015年には倒壊の危険がある空き家に対し、市町村が所有者に修繕や撤去を指導・命令できる「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。
空家率は過去最高に
全国の空き家は年々増加し、2020年には約840万戸に達しています。中でも増加が著しいのは、賃貸や売却用でもなく、自己利用もされていない「その他の住宅」で、約340万戸となっています。
「空き家」が増えている一番の理由は、高齢少子化や人口の都市集中という社会構造によるものです。かつては二世代、三世代同居の大家族が主流で、親が亡くなった後は長男が家を継ぎ、実家に住むのが普通でした。
しかし、今は子が実家から独立して自分の家を買うのが一般的になり、親が亡くなって実家を相続しても住む必要がなく、空き家のままにしておくケースが増えています。現在、団塊の世代が70歳以上となり高齢者のみの世帯が増えていますが、将来的にはその持ち家も住む人がいなくなり、さらに増加すると予想されています。
相続トラブルを防ぐために
実家をどうするかは、相続の際にトラブルになる主な原因の一つです。例えば、子の1人が『処分して金銭を分けてほしい』もう1人は『思い出の多い家だから残してほしい』と主張するなど、お互いに譲れない。また、家に残した遺品の整理にも時間がかかりますし誰が片付けるかで、さらに衝突することもあります。
このようなトラブルを避け、相続時にスムーズに実家を処分するためには、親が元気なうちに子を集めて、実家をどうするか話し合い、親の意向を子どもたちにはっきり伝えておくのが良いそうです。話し合いには、親と子供たち全員が集まることが大事で、子の配偶者や孫は連れて行かないほうがまとまりやすいようです。
相続の過半数を超えると言われる「空き家問題」による不動産売却のご相談はお気軽にお問い合わせください。